――忙しい農家だからこそ、時間を味方につける
過去の記事と被るとこともあります
最近は「即効性」のある資材や技術がたくさん紹介されています。
分解促進剤、発酵菌液、液肥、特殊資材…。
“早く効く”という言葉は、とても魅力的に映ります。
でも、農業を続けていると、どうしても感じてしまうことがあります。
資材を入れることよりも、
時間をどう畑に渡すかの方が、土づくりの本質ではないか。
私はそんなふうに考えるようになりました。
時間は“無料の資材”であり、最も安定した肥料
堆肥、緑肥、稲わら、残渣。
どれも、自然の力が働かなければ土には還ってくれません。
微生物が動くには、
🌬 酸素
🌡 温度
🕒 そして「時間」が必要です。
堆肥の熟成には季節をまたぐ時間が要りますし、
自然な団粒構造も“寝かせる時間”の中でしか育ちません。
資材は一瞬で入れられますが、
土の変化は、時間を通じてしか起こらない。
私は最近、そこにこそ面白さがあると感じています。

「待つ」のではなく、「時間を投じる」という発想
時間を使うことは“ただ待つ”ことではないと思っています。
それはむしろ、
肥料を撒くように、土に時間を“投入する”という感覚に近いです。
たとえば――
🔸 稲刈り後すぐにわらをすき込む
🔸 秋に浅耕して酸素を入れておく
🔸 冬前に一度攪拌しておく
こうした“ほんの少しの前倒し”があるだけで、
土の分解プロセスはまったく別の流れになります。
逆に、忙しさを理由に後回しにすると、
一気に寒くなり、分解は止まり、
春にはガス障害や未分解わらが残ってしまう。
それは、“資材が足りない”のではなく、
時間を投じるチャンスを逃しただけ。
私はそう感じています。
資材と時間は、トレードオフの関係にある
時間が足りないとき、
私たちは資材で補おうとします。
| 状況 | 時間がないときの対応 |
|---|---|
| わらの分解が間に合わない | 分解促進剤の投入 |
| 緑肥の分解が遅い | 窒素源の追加 |
| 病害が心配 | 拮抗菌や資材に頼る |
これらはすべて、
**「不足した時間を資材で埋めている」**という考え方もできると思いました。
反対に、
時間をしっかり確保すると、
✔ 分解促進剤の量を減らせる
✔ 資材コストが下がる
✔ 微生物バランスが自然に安定する
つまり、
時間を投じるほど、
資材に頼らない農業に近づくのではないかと思っています。
忙しい農家ほど、“時間投資”を意識したい
正直に言うと、私はよく作業が遅れます。
頭では「早めにやったほうがいい」とわかっていても、
日々の作業に追われて、気づけばタイミングを逃していることも多いです。
ただ最近、少しだけ考えが変わりました。
1日早く作業できるだけで、
自然界では“数十日分の分解の差”になることがある。
そう考えると、
「忙しいから後回し」ではなく、
「忙しいからこそ、少しでも今やっておく」
という感覚に変わってきた気がします。
“前倒し”ではなく、
**“時間を畑に投資しておく”**という意識です。
私なりの結論(まだ途中ですが)
- 時間は、最も安価で、もっとも再現性の高い資材
- 資材と時間は、置き換えができる
- 土を育てるとは、自然に働く時間を“設計”すること
- 忙しさと折り合いをつけながら、時間を畑に渡していくこと
- その感覚が、持続可能な農業につながるのではないかと思いました
肥料を撒くように、
資材を入れるように、
時間を畑に入れてみる。
それが、モブ農が考えている
“時間を資材として使う土づくりの戦略”です。
🌱 畑にいるよ。今日は、いつもより少し早めに作業できました。
それだけで、何かいいことをしたような気がしています。

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