こんにちは。モブ農です。
「窒素肥料=環境破壊」というイメージを持たれることもありますが、実際には植物にとって欠かせない栄養素です。適切に効かせれば収量だけでなく、食味や品質を高めることにもつながります。
窒素は“おかず”、炭素は“ご飯”
植物の体をつくるのは炭素(C)。光合成で二酸化炭素を取り込み、糖やデンプンを合成します。これは人間でいえば「ご飯やパン=主食」にあたります。
一方、葉緑素やタンパク質、DNAなどをつくるのに欠かせないのが窒素(N)。これは「肉や魚、大豆=タンパク質=おかず」です。
ご飯だけでは体は作れないように、植物も窒素なしでは育ちません。
窒素肥料を食事にたとえると
- 化学肥料=プロテインサプリ
精製されていてすぐ効く。成長のスパートや環境ストレスのときに即効性を発揮。 - 魚粉・鶏糞=魚や肉
そのままの食材。分解されればしっかり栄養になる。 - ボカシ肥・堆肥=魚肉料理
発酵や分解を経て“調理”された状態。吸収しやすく、土も整える。 - 生の有機物=大豆など
栄養はあるが、そのままでは分解に時間がかかる。
有機肥料は「日々の食事」、化学肥料は「必要に応じたプロテイン補助」と考えると分かりやすいと思います。
光合成=運動、窒素=タンパク質
光合成は、人間でいう“運動”。
運動(光合成)によってエネルギー(炭素)は生まれますが、それだけでは筋肉(植物体)はつきません。
ここに必要なのがタンパク質=窒素。
基本は食事(有機肥料)で十分ですが、成長期やストレス期にはプロテイン(化学肥料)をタイミングよく補助するのが効果的です。
窒素肥料の功と注意点
功(良い点)
- 収量を飛躍的に増やした
- 土壌の窒素不足を解消し、農業を救った
- 食味・品質を高め、安定供給を可能にした
注意点(気をつけたいこと)
- 過剰施肥は環境負荷(地下水汚染や富栄養化)を招く
- 効きすぎれば軟弱徒長して病害虫に弱くなる
大切なのは「適切な量とタイミング」で使うこと。過不足がなければ、作物本来の持ち味を引き出すことができます。
まとめ:量ではなく「効かせ方」
かつては「どれだけ入れるか=量」が中心でした。
今は「どう効かせるか=質、タイミング」が大事です。
- 有機肥料=食事
- 化学肥料=プロテイン
- 発酵やキレート化=調理や食べ合わせ
窒素肥料は悪者ではありません。窒素=タンパク質と考えれば、適切に効かせることが、持続可能で高品質な栽培のカギになります。
今日のひとこと
「窒素はおかず。ご飯だけじゃ生きられないし、おかずだけでも偏る。結局バランスですね。」
🌱 畑にいるよ。バランスを考えることも農業の仕事です。


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