こんにちは。モブ農です。
かつて「硝酸=悪者」と言われた時代がありました。ヨーロッパでは規制値が設けられ、日本でも「硝酸残留=悪い野菜」というイメージが広まったほどです。
◆ 昔は「悪者」扱いだった硝酸態窒素
野菜に含まれる硝酸態窒素(NO₃⁻)。体内で一部が亜硝酸に変わり、さらにニトロソアミン(発がん性物質)になる可能性が指摘されたこと。
また乳児では「メトヘモグロビン血症(青色症)」のリスクがあったことから、長い間「硝酸=悪者」とされてきました。
◆ 実は人類はずっと摂ってきた
そもそも硝酸は自然界の土や水、野菜に普通に存在しています。
人類が誕生して以来、私たちは常に硝酸を含む野菜や水を口にしてきました。
つまり「硝酸を摂ること自体」は新しい現象ではなく、自然なことなんです。
◆ 最近わかってきた硝酸の有用性
近年の研究で、むしろ硝酸には健康に役立つ側面があることが分かってきました。
- 血圧を下げる
体内で一酸化窒素(NO)に変化し、血管を広げて血流を改善。天然の降圧剤のような働き。 - 運動パフォーマンスを高める
ビーツジュースやホウレンソウが注目されるのは、筋肉の酸素利用効率を上げ、持久力を改善するから。 - 抗菌作用
唾液中の硝酸が亜硝酸に変わり、抗菌機能を発揮。口腔や胃腸の健康を守っている。
◆ 野菜の硝酸と加工肉の硝酸は違う
野菜の硝酸はビタミンCやポリフェノールと一緒に摂るため、ニトロソアミンへの変化を抑えてくれます。
一方、加工肉の硝酸塩・亜硝酸塩はタンパク質と加熱されるため、ニトロソアミンが生成されやすく、リスクが高い。
つまり「野菜の硝酸」と「加工肉の硝酸」では体内でのふるまいがまったく違うのです。
◆ 農家としてのスタンス
硝酸が悪いのではなく、過剰な摂取が良くないだけ。
普通に野菜を食べている分には、困ることはまずありません。
農家として大事なのは、栽培中に硝酸が過剰に残らないように気を配ること。
それは「環境負荷を減らす」「品質を保つ」という農業の責任でもあります。
まとめ
- 野菜の硝酸は人類がずっと摂取してきた自然な成分。
- 適度なら健康に有用で、血圧改善や運動効率アップの効果も期待されている。
- 農家としては「悪者扱い」には違和感。ただし栽培で過剰に残さない工夫は必要。
今日のひとこと
「硝酸は悪者じゃない。取りすぎが悪いだけ。これは塩も糖も同じ話ですよね。」
🌱 畑にいるよ。野菜のことを考えていたら、ちょっと元気が出てきました。



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